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  1999年03月25日発売

以文叢書 A
新版 今昔物語集の世界
中世のあけぼの

池上 洵一 著

四六判 上製カバー装 296頁
定価:本体2,400円+税
ISBN 4-7531-0202-5 C0026  
               〈史実と説話のダイナミズム〉

天竺、震旦、本朝全土にわたる広範な舞台で殿上人から魑魅魍魎まで、多彩な登場人物が織り成す『今昔』の世界。原話から説話への変容の視点から『今昔物語』の視界と構造に迫り、古代貴族社会の爛熟と闇の支配者=武士階級が台頭する動乱の中世前夜を描く。

事実から説話へ変容するプロセスをたどって説話の視界を解き明かしながら、闇の支配者=武士階級が台頭する古代貴族社会の爛熟と中世前夜の動乱の時代を生きる人びとの、したたかな精神を描く。              (編集者より)

【著者紹介】
池上 洵一 (いけがみ じゅんいち)
1937年岡山県生まれ。1960年神戸大学文学部卒業。1966年東京大学大学院博士課程単位取得中退。現在、神戸大学文学部教授。
著書:『今昔物語集』1〜10(東洋文庫・平凡社・共著)、『三国伝記』上・下(中世の文学・三弥井書店)、『島原松平文庫蔵古事談抜書の研究』(和泉書院)、『今昔物語集 三』(新日本古典文学大系・岩波書店)、『江談抄中外抄 富家語』(新日本古典文学大系・岩波書店・共著)、『修験の道――三国伝記の世界』(以文社)など。

【目次】
序『今昔物語集』への招待
 『今昔物語集』とわたし
 『宇治大納言物語』の影
 奈良のどこかで
1 事実から説話へ(その1)――興福寺再建の霊験――
 〈起こりうる奇蹟〉と〈起こりえない奇蹟〉
 説話化の軌跡
2 事実から説話へ(その2)――花山院女王殺人事件――
 深夜の惨劇
 事件の黒幕
 語り手は知っていた
 フィルターの歪み
3 説話のうらおもて――中山神社の猿神――
 昔話の猿神退治
 落魄の猿神
 〈徒死〉と〈犬死〉
 〈同ジ死ニヲ〉
 都市人と地方神
4 説話の視界――明尊僧正と平致経――
 対象との距離
 闇の支配者
 変質する矜恃
 撰者の目
5 天竺から来た説話――月の兎――
 身を焼いた兎
 兎の餅つき
 親近感の理由
 日本的なるもの
6 震旦説話の変容――説話の荘子――
 材と不材との間
 似て非なる理解
 魚の心
 偽善者孔子
 撰者の理解力
7 説話の翻訳――忠文の鷹、そして浄尊法師――
 話としての論理
 誤訳さまざま
 空白発生の理由
 底下の凡愚
8 『今昔物語集』の展望
 仏法と世俗
 仏教説話の構成
 巻二三、巻二五の分立
 二話一類様式の謎

新装版刊行に際しての補説
あとがき
新装版あとがき  
 

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