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   1999年06月28日発売

ヘーゲル
大論理学
【1巻 存在論】

寺沢 恒信 訳

A5判箱入り 上製カバー装 604頁
定価:本体9,000円+税
ISBN 4-7531-0205-X C3010 
   〔近代の再検討が根源的に問われるなか、近代的思惟の原点の翻訳〕 

『精神現象学』が出版されて間もない1807年07月08日に、ヘーゲルはニートハンマーに宛てて「出来るだけ多くの力を」自分の論理学総論の仕事に注いでいると書いている。『大論理学』全三巻は、1812年から1816年にかけて出版された。しかし、当時の書評界からこの著作にたいして一願だに与えなかった。・・・・・
最近20年間のヘーゲル受容においてはじめて『大論理学』にたいして、ヘーゲル自身の理解にふさわしいと思われる位置づけがなされるようになった。
絶対的否定性は、絶対的概念の構造そのものであるから、主観性の構造である。したがって『大論理学』は主観性の理論のまったき姿である。『精神現象学』の「序文」で定式化された意図、すなわち実体を同様に主体としても把握することが問題だという企図は、『大論理学』においてはじめて果たされる。ここでは、実体の弁証法的運動が概念のもっとも直接的な起源となっているのである。

ヘーゲル論理学の成立史研究に生涯をささげた訳者による画期的訳業。明解な訳文、綿密な校訂にもとづく周到な注解と付論からなり、ヘーゲル論理学の正しい理解への道を拓く。とくに第1巻は、ながく等閑視されてきた初版本(1812年)を高く評価した翻訳であり、初版本の意義を究明して余すところがない。
うらむくは、訳者の急逝により、第3巻の「訳者注」がその前半部分のみにとどまり、添えられるはずであった『大論理学』全3巻を初版の形で読む意義を論究する「付論」が、ついに実現されなかったことである。

【訳者紹介】
寺沢 恒信 (てらざわ つねのぶ)
1919年名古屋市生まれ。
1941年東京大学文学部哲学科卒業。
1998年没。
著書:『認識論史』(青木書店)、『弁証法的論理学試論』(大月書店)など。
訳書:レーニン『唯物論と経験批判論』(大月書店)
    ルビンシュテイン『存在と意識』(青木書店)など。

【目次】
訳者のまえがき
 一 『大論理学』の出版状況
 二 初版本とのであい
 三 A版とB版とのちがいの概略
 四 初版本の体裁について
 五 本訳書における訳語と訳文について
 六 付論について
序言
序論
論理学の一般的区分について

第一書 存在

学は何を端初としなければならないか
存在の一般的区分

第一編 規定態(質)
第一章 存在
A 存在
B 無
C 成
 一 存在と無の統一
  注解一 表象における存在と無との対立
  注解二 それぞれ切りはなしてとらえられた存在と無
  注解三 存在と無との関係における他の相互関係
  注解四 成に対しての・また生成と消滅に対しての通常の弁証法
 二 成の契機
 三 成の揚棄
  注解 揚棄
第二章 定在
A 定在そのもの
 一 定在一般
 二 実在性
  (a)他在
  (b)向他存在と即自存在
  (c)実在性
  注解 実在性の通常の意味
 三 或るもの
B 規定態
 一 限界
 二 規定態
  (a)規定
  (b)性状
  (c)質
  注解 質の通常の意味
 三 変化
  (a)性状の変化
  (b)当為と制限
  注解 なんじなしうるがゆえになすべし
  (c)否定
  注解
C (質的)無限性
 一 有限性と無限性
 二 有限なものと無限なものとの交互規定
 三 無限性の自己への還帰
  注解 有限なものと無限なものとの通常の対立
第三章 向自存在
A 向自存在そのもの
 一 向自存在一般
 二 向自存在の契機
  (a)それの即自存在の契機
  (b)向一存在
  注解 一つのものにとって何か
  (c)観念性
 三 一の成
B 一
 一 一と空虚なもの
  注解 原子論
 二 多くの一(反撥)
  注解 モナドの数多性
 三 相互的反撥
C 牽引
 一 ひとつの一
 二 牽引と反撥との均衡
  注解 カントによる牽引力と反撥力とからの物質の構成
 三 量への移行

第二編 大きさ(量)
  注解 
第一章 量
A 純粋量
  注解一 スピノザの量の概念
  注解二 物質の無限な分割可能性についてのカントのアンチノミー
B 連続的な大きさと離散的な大きさ
  注解 これら二つの大きさの通常の分離
C 量の限定
第二章 定量
A 数
  注解一 〔大きさの〕種類としての空間の大きさと数の大きさ
  注解二 理性の諸関係の数による表現
B 外延的定量と内包的定量
 一 両者の区別
 二 外延的な大きさと内包的な大きさとの同一性
  注解 この同一性の実例
 三 定量の変化
C 量的無限性
 一 それの概念
 二 無限進行
  注解一 窮極的なものとしての無限進行
  注解二 時間と空間における世界の被局限性と無局限性とのカントのアンチノミー
 三 定量の無限性
  注解 数学的な無限なものの概念
第三章 量的相関〔比〕
A 直接の相関〔正比〕
B 逆の相関〔反比〕
C べき相関
  注解 この相関の概念の諸規定への適用

第三編 度量
第一章 特有の量
A 特有の量
B 規則
 一 質的ならびに量的な大きさの規定態
 二 質と定量
 三 質としての両側面を区別すること
  注解 自然の度量
C 〔二つの〕質の比
第二章 独立した度量の比
A 独立した度量の比
 一 中和態
 二 中和態の特有化
 三 選択親和性
  注解 度量の契機としての化学的物質
B 度量の諸比の結節線
  注解 このことについての実例
C 没度量的なもの
第三章 本質の生成
A 無差別
B その両要因の反比としての独立したもの
  注解 この比の適用
C 本質が立ち現われる運動
訳者注
付論
 付論一 A版の序言がB版でどのように改変されているか
       ――「小さい改変」の実例として――
 付論二 「論理学の一般的区分」に関する叙述のA版とB版とのちがい
       ――二分法と三分法について――
 付論三 A・B両版における「端初論」のちがい
       ――『精神の現象学』と『論理学』との関係をどうとらえるか――
 付論四 「定在」の章はB版でどのように改変されているか
  一 概観
  二 定在一般
  三 実在性
  四 或るもの――反省規定・自立的・主体的なもの――
  五 限界・規定・性状
  六 変化と有限性
  七 無限性
  八 概観(再論)
 付論五 A・B両版における「向自存在」の章のちがい
       ――本文が変化して注解が変化しないのはなぜか――
  一 概観
  二 向自存在
  三 観念性
  四 一と多
  五 反撥と牽引
  六 この章の目的
 付論六 「大きさ」と「量」
 付論七 A・B両版における「度量」の編のちがい
  一 概観
  二 「規則」というカテゴリー
  三 いわゆる「自然の数字」
  四 本質への移行
訳者のあとがき 
 

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