2002年02月25日発売

情報文明学の構想
高度情報化社会と文明の共存

吉沢 英成 編

A5判 上製カバー装  236頁
定価:本体3,500円+税
ISBN 978-4-7531-0220-3 C3036
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平成7年の阪神・淡路大震災では、ライフラインの崩壊のみならず、その後の救助活動などで測り知れない深刻さを痛感させられたのは、《ネットワークの死》という現実であった。本書はこの現実を見据え、情報と社会の基本構造を身近な視点から基礎づけるとともに、国際化でますます身近な問題となった言語と文化の多様性と固有性を視野に入れて、来るべき社会の再生と多様性を構想する。

【目次】
はじめに
第一章 文化と文明の衝突?
      ――情報文明の特質についての一考察
 1 文化の構造
 2 分析の限界――文化学はどこまで科学か?
 3 人間活動における文化と文明
 4 産業文明における文化と文明
 5 情報文明の特質
第二章 文明間摩擦の研究序説
      ――アフリカ・中東・そして日本
 1 アフリカ文明
 2 文明間の摩擦――中東の問題を例として
 3 文明の継起関係――日本文明再考
 4 文明間摩擦のもう一つの意味
 5 アフリカ文明の現状と希望
 6 文明の持続性
 7 結びとして
第三章 文明のネットワーク史観と情報ネットワークの多言語文化
 1 はじめに
 2 現代文明を支えるネットワーク
 3 文明のネットワーク史観
 4 ネットワークの基本思想とは
 5 文化による平和
 6 情報ネットワークと多言語文化
 7 言語コミュニティとその問題点
 8 文化と文明の相克・混交・共生
 9 電子商取引と少数民族言語問題
 10 おわりに
第四章 情報文明社会における多言語と固有の文化
 1 マルチメディア情報は情報文明への貢献
  1-1 意志伝達の必要性
  1-2 文化や宗教を超えた協調
  1-3 マルチメディア情報社会下のコミュニケーション
  1-4 デジタル化された情報
  1-5 異言語や重症心身障害の壁
 2 グローバル化が進むなかでの固有の文化
  2-1 情報文明社会における多言語文化
  2-2 グローバル化にともなう文化の画一化の危険
  2-3 多言語のなかの国際語
 3 情報化による多言語サポート
  3-1 言語間の機械翻訳
  3-2 多言語を使用する中国における普通話(標準語)
  3-3 中国語と日本語
  3-4 コミュニケーションによる情報文明
  3-5 異文化間の共同研究の提携
 4 中国におけるマルチメディアの情報
  4-1 マルチメディア情報とその管理体制
  4-2 IT革命は中国の体制にどう影響を与えるか
  4-3 中国におけるIT人材
 5 結び
第五章 情報創造をたのしむ文明
      ――観光と嗜好品によせて
 日本の「情報化」はすすんでいるか
 情報のメッセージ性とマッサージ性
 梅棹忠夫「情報産業論」(一九六三年)
 二〇世紀後半における社会変化
 たのしみと情報のマッサージ性
 カラオケナイゼーション――受容から発信へ
 情報の「多義性」と非日常体験
 観光――「光をみて、光をしめす」
 文明化――「仕事」から「あそび」へ
 「酒による酩酊」と情報創造
 嗜好品――「主体としての人間」をかえる
 「酒による酩酊」をかいならす
 「しめった酩酊」と「かわいた酩酊」
 コーヒーハウスと資本制経済システム
 茶の湯が準備した日本の早期近代
 タバコ――情報創造に果たす役割
 嗜好品の多様性に対応する時代精神
 ハード・ドラッグとソフト・ドラッグ
 コミュニケーションとやりとり
第六章 「日本型情報文明」の可能性にかんする逆説的一考察
 1 民族によって異なる情報化
 2 「情報社会」は日本的概念
 3 「情報社会論」を世界化した米国の研究
 4 拡張する「アメリカン・スタンダード」
 5 漢字の制限と英語の拡張
 6 ドメスティック・ネットの実態
 7 許されなくなった「情報鎖国」
 8 日本型情報文明の可能性
第七章 情報メディアによるコミュニケーションの支援
 1 人間のコミュニケーション活動
 2 計算機から情報メディアへ
 3 情報メディアを発展させた国際標準化とインターネットの高速化
 4 情報メディアによるコミュニケーションの支援
 5 情報メディア社会の誕生
 6 情報メディア社会の諸相
  6-1 時間概念
  6-2 経済活動
  6-3 高等教育
 7 おわりに
第八章 高等教育のインターネット革命
      ――遠隔教育・交流のあり方を考える
 1 はじめに
 2 インターネットのメディアコミュニケーション特性と遠隔教育システム
  2-1 インターネットのメディアコミュニケーション特性と教育分野への適応
  2-2 インターネット遠隔教育システムの基本的パラダイムと展開
 3 インターネット遠隔教育システムへの期待と不安要因
 4 インターネット遠隔高等教育の現状と課題
  4-1 情報技術先進国米国の状況
  4-2 インターネットのわが国高等教育機関における利用状況
  4-3 テレビ会議型遠隔授業の実施状況と課題
  4-4 わが国におけるバーチャルユニバーシティ(VOD型遠隔教育)の先行事例
 5 筆者らの遠隔交流システムの試行実験
 6 インターネット遠隔教育システムがもたらす高等教育の構造的変容の可能性
  6-1 授業形態の直接対面授業から遠隔授業の進展など多様化へ
  6-2 集合教育指導から学習者の能動的個別学習へ
  6-3 画一化・標準化されたカリキュラムから多様化・個性化されたカリキュラムへ
  6-4 大学運営の法的規制下から民間企業参入など自由競争へ
 7 おわりに――高等教育におけるインターネット革命の課題と方途
第九章 「情報文明学」構築の必要性についての経済分野からの一考察
 1 はじめに
 2 情報文明化社会
  2-1 情報とはなにか
  2-2 文明とはなにか
  2-3 情報文明社会とはなにか
 3 情報文明学構築の必要性
  3-1 情報化社会における日本的資本主義とアメリカ的資本主義
  3-2 アメリカとインドの情報化
  3-3 農業化社会・工業化社会からの負の遺産
 4 情報科学技術の発達と「情報文明学」の構築
  4-1 情報文明学とIT革命
   4-1-1 IT革命と経営技術
   4-1-2 IT革命と日本の製造業
   4-1-3 アメリカのIT革命
   4-1-4 IT革命と電子商取引
   4-1-5 IT革命と日本の医療制度改革
  4-2 情報文明学とバイオテクノロジー
   4-2-1 DNAとベンチャー企業
   4-2-2 たんぱく質の熱安定性と組織におけるリーダーシップ
 5 おわりに
執筆者紹介 
 

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