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  2003年01月20日発売

〈帝国〉
グローバル化の世界秩序と
マルチチュードの可能性

アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート 著
水嶋一憲・酒井隆史・浜邦彦・吉田俊実 訳

A5判 上製カバー装 592頁
定価:本体5,600円+税
ISBN 978-4-7531-0224-2 C0010
              世界秩序=〈帝国〉とは何か?

〈帝国〉という言葉は捉えどころが無いのですが、それでも関心を呼び起こされるのは、現代という時代が捉えどころが無いからです。この現代性を壮大なスケールとヴィジョンで解き明かしてくれるのが本書です。例えば、今日テロという犯罪を戦争に仕立てて、国際社会を戦争状態におとしいれるような社会が、いつからどのように始まったのか?また、市場原理という原理主義が、われわれの日常生活を巻き込んだ生政治(剥き出しの生)へと転換したのは、どのようにしてか?これらの大問題を冷静に分析しつつ、現状分析に甘んじていられない、将来の可能性への熱いまなざしをマルチチュード(群衆、多数性)に向けています。グローバル化に応じた、一国主義に捉われない世界の解放の視座を提供します。

【著者紹介】
●アントニオ・ネグリ (Antonio Negri)
1933年生まれ。元パドヴァ大学政治社会科学研究所教授。60年代にイタリアの非共産党系左派の労働運動の潮流(オペライスモ〔労働者主義〕)の理論的指導者として頭角を現わし、70年代にはアウトノミア運動の中心人物となる。しかし79年、運動に対する弾圧が高まるなか、テロリストという嫌疑をかけられ逮捕・投獄される。その後、81年の獄中で執筆された画期的なスピノザ論『野生のアノマリー』を出版、83年にフランスに亡命。以後14年間にわたりパリ第8大学などで研究・教育活動の携わったのち、97年7月、イタリアに帰国し、ローマ郊外のレビッビア監獄に収監されたが、現在は自由の身となり、研究/著述活動を続けている。
邦訳書に、フェリックス・ガタリとの共著『自由の新たな空間』(丹生谷貴志訳、朝日出版社、1986年)、『構成的権力』(杉村昌昭・斉藤悦則訳、松籟社、1999年)、『転覆の政治学』(小倉利丸訳、現代企画室、2000年)がある。
●マイケル・ハート (Michael Hardt)
1960年生まれ。現在、デューク大学(比較文学)。ワシントン大学で比較文学を修めたのち、パリ第8大学で当時フランスに亡命中のアントニオ・ネグリに師事。ネグリのスピノザ論『野生のアノマリー』を英訳(1991年)。単著として『ドゥルーズの哲学』(田代真他訳、法政大学出版局、1996年)があり、目下、パゾリーニ論を準備中。また、ネグリとの共著に『ディオニソスの労働』(1994年)、パオロ・ヴィルノとの共編著に『イタリアにおけるラディカルな思想』(1996年)、キャシィ・ウィークスとの共編著に『ジェイムソン・リーダー』(2000年)がある。

【訳者紹介】
●水嶋 一憲 (みずしま かずのり)
1960年生まれ。1984年京都大学卒、京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、大阪産業大学経済学部教授。
主要論文:「かくも脆いこのとき――フーコーと暴力のアクチュアリテ」『現代思想』(97年3月)、「旅する文化、転位する人文学」『人文学のアナトミー』(岩波書店)他。
翻訳:ルイ・アルチュセール『政治・哲学著作集U』(共訳、藤原書店)他。
●酒井 隆史 (さかい たかし)
1965年生まれ。1990年早稲田大学卒、早稲田大学大学院文学研究科満期退学。現在、大阪府立大学助教授。
主要著作:『自由論』(青土社)、『音の力――ストリートをとりもどせ』(共著、インパクト出版会)。
翻訳:スラヴォイ・ジジェク『否定的なもののもとへの滞留』(共訳、太田出版)。
●浜 邦彦 (はま くにひこ)
1968年生まれ。1994年東京外国語大学卒、東京大学大学院文学研究科博士課程(地域文化研究)。現在、東京外国語大学非常勤講師。
主要論文:「C.L.R.ジェイムズ――カリブの父」『カリブ――響きあう多様性』(ディスクユニオン)、「「人種」の解体と国民の記憶」『〈複数文化〉のために――ポストコロニアリズムとクレオール性の現在』(人文書院)。
●吉田 俊実 (よしだ としみ)
1954年生まれ。1979年昭和女子大学大学院文学研究科修了。現在、東京工科大学バイオニクス部助教授。
主要論文:「セクシュアリティの解体――ポスト・エディプス・コンプレックスとしてアイリス・マードックの『イタリアの女』を読む」『たたかう性』(一葉社)。
翻訳:『淑女が盗みにはしるとき――ヴィクトリア朝期アメリカのデパートと中流階級の万引き犯』(共訳、国文社)。

【目次】

第一部 現在性の政治的構成
1−1 世界秩序
      国際連合
      〈帝国〉の構成
      〈帝国〉的権威のモデル
      普遍的諸価値
1−2 生政治的生産
      管理社会における生権力
      生の生産
      企業とコミュニケーション
      介入
      国王大権
1−3 〈帝国〉内部のオルタナティヴ
      偉業の存在論的ドラマ
      「インターナショナル」のリフレイン
      モグラとヘビ
      双頭の鷲
      政治的宣言
第二部 主権の移行
2−1 二つのヨーロッパ、二つの近代性
      内在性の革命的平面
      危機としての近代性
      超越論的装置
      近代的主権
      主権機械
      〈人間〉の死以後の人間主義
2−2 国民国家の主権
      国民の創生
      国民と近代性の危機
      国民とその人民
      サバルタン・ナショナリズム
      国民国家の全体主義
2−3 植民地的主権の弁証法
      人類は〈一〉にして〈多〉
      植民地奴隷制の危機
      他性の産出
      植民地主義の弁証法
      他性のブーメラン
      民族解放という毒入りのプレゼント
      感染
2−4 移行の徴候
      差異の政治
      異種混交性の解放、または植民地的二分法を超えて
      原理主義そして
      あるいはポストモダニズム
      世界市場のイデオロギー
      真実究明委員会
      貧者
2−5 ネットワーク的権力――合衆国の主権と新しい〈帝国〉
      アメリカ革命とと二つのローマのモデル
      拡張する帝国
      開かれたフロンティア
      帝国的空間の閉止
      アメリカ帝国主義
      冷戦を超えて
2−6 〈帝国〉の主権
      もはや外部は存在しない
      〈帝国〉の人種差別主義
      主体性の生成と腐敗について
      〈帝国〉の三重の命法
      危機から腐敗へ
      拒否すること
間奏曲 対抗-〈帝国〉
      一大組合を!
      搾取の非-場
      対抗的であること――遊牧的移動、脱走、脱出
      新しい野蛮人たち
第三部 生産の移行
3−1 帝国主義の諸限界
      外部の必要性
      外部を内部化すること
      均等化と包摂
      帝国主義から〈帝国〉へ
      『資本論』の欠巻
      さまざまのサイクル
3−2 規律的統治性
      世界のためのニューディール
      脱植民地化、脱中心化、そして規律
      近代性のなかへ、近代性の外へ
      新しいグローバルなパラダイムへ向けて
      実質的包摂と世界市場
      本源的蓄積
3−3 抵抗、危機、変革
      二つ、三つ、数多くのヴェトナムを
      危機に対する資本主義の応答
      資本のエコロジー
      規律的体制に対する襲撃
      ソビエト的規律の断末魔
3−4 ポストモダン化、または生産の情報化
      発展の幻想
      情報化
      非物質的労働の社会学
      ネットワーク生産
      情報ハイウェイ
      共有のもの
3−5 混合政体
      巨人たちが地球を支配するとき
      グローバルな政体構成のピラミッド
      ポリュビオスと〈帝国〉の統治
      異種混交政体
      政体構成をめぐる闘争
      政体構成のスペクタクル
3−6 資本主義的主権、またはグローバルな管理社会を行政管理すること
      平滑世界
      新しい区分化
      〈帝国〉の行政管理
      〈帝国〉の指令
      大きな政府は終わった!
第四部 〈帝国〉の衰退と没落
4−1 潜在性
      尺度の外――計測不可能なもの
      尺度の彼岸――潜在的なもの
      寄生するもの
      遊牧的移動と交雑
      一般的知性と生権力
      機械状の
      偉業
4−2 生成と腐敗
      勃興と没落――マキアヴェッリ
      ヨーロッパの終焉――ヴィトゲンシュタイン
      アメリカ、アメリカ
      危機
      生成
      腐敗
4−3 〈帝国〉に抗するマルチチュード
      二つの国
      終わりなき道筋――グローバルな市民権の権利
      時間と身体――社会賃金の権利
      目的――再領有の権利
      ポッセ
      闘士
訳者あとがき
原注
索引
 

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