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  2004年04月09日発売

判断力批判 上巻
【新装版】

イマヌエル・カント 著
宇都宮 芳明 訳・注解

四六判 上製カバー装 480頁
定価:本体5,000円+税
ISBN 978-4-7531-0232-7 C3010 
 カント没後200年を迎え、宇都宮芳明先生によるカント〔三批判書〕訳業の完成

宇都宮芳明先生による「カント三批判書」の翻訳がおよそ15年の歳月を経て、この度の『純粋理性批判』の刊行をもっていよいよ完結します。明解な訳文と、購読ゼミにでも参加しているような臨場感あふれる注解から成る本書は、「知る」ことの意味を根源的に考察したカントの思索をたどるうえで、欠かすことのできない原典です。

人間は言葉を持ち、言葉をつなげてものごとを考えるが、カントはこの人間の能力、つまり「理性」とよばれる能力について、それをどのように働かせたらよいかを徹底して追究した。と言うのも、人間ひとりひとりの生き方は、その人間が自分の理性でものごとをどのように考えるかによって決まるからである。理性は、科学的知識を求める場面だけではなく、道徳とはなにか、美とはなにか、神や宗教とはなにかを考える場面でも働いてる。科学的知識だけを絶対視する誤りを避け、また迷信や狂信に陥らないためには、これらのあらゆる場面で理性を正しく働かせるようにすることが必要である。カントは人間の自由と尊厳の確保を目指しつつ、こうした理性批判の道を歩んだのである。                                   【訳者のことば】

【訳者紹介】
宇都宮 芳明 (うつのみや よしあき)
1931年生まれ。東京大学大学院博士課程退学。北海道大学教授を経て、現在北海道情報大学名誉、北海道大学名誉教授。
著書:『人間の間と倫理』(以文社、1980年)、『カントと神』(岩波書店、1998年)ほか多数。
訳書:『永遠平和のために』(岩波文庫、1985年)、『実践理性批判』(以文社、1990年)、『判断力批判』上・下(以文社、1994年)、『純粋理性批判』(以文社、2004年)など。

【目次】
凡例
序論
 T 哲学の区分について
 U 哲学一般の領域について
 V 哲学の二部門を一つの全体へと結合する手段としての判断力批判について
 W アプリオリに立法的な能力としての判断力について
 X 自然の形式的合目的性の原理が判断力の超越論的原理である
 Y 快の感情と自然の合目的性の概念との結合について
 Z 自然の合目的性の情感的表象について
 [ 自然の合目的性の論理的表象について
 \ 判断力による悟性の立法と理性の立法との結合について
第一部 情感的判断力の批判
第一編 情感的判断力の分析論
 第一章 美の分析論
  質にかんする、趣味判断の第一の契機
   一 趣味判断は情感的である
   二 趣味判断を規定する適意は、一切の関心を欠いている
   三 快適なものに対する適意は、関心と結びついている
   四 善いものに対する適意は、関心と結びついている
   五 種別的に異なる三種の適意の比較
  趣味判断の第二の、つまりその量にかんする契機
   六 美しいものは、概念を欠いたまま普遍的な適意の客観として
         表象されるものである
   七 上述の微表による、美しいものと快適なものや善いものとの比較
   八 適意の普遍性は、趣味判断において、たんに主観的として表象される
   九 趣味判断においては快の感情が対象の判定に先立つのか、
         それとも後者が前者に先立つのかという問いの探究
  趣味判断においては諸目的の関係が考慮されるが、
         この関係にかんする趣味判断の第三の契機 
   一〇 合目的性一般について
   一一 趣味判断が根拠としているのは、対象の(もしくは対象の表象様式の)
         合目的性の形式以外のなにものでもない
   一二 趣味判断はアプリオリな諸根拠に基づいている
   一三 純粋な趣味判断は、魅力や感動には依存していない
   一四 実例による説明
   一五 趣味判断は、完全性の概念にはまったく依存していない
   一六 ある対象を、ある規定された概念の条件の下で
         美しいと言明する趣味判断は、純粋ではない
   一七 美の理想について
  対象に対する適意の様相にかんする、趣味判断の第四の契機
   一八 趣味判断の様相とはなにか
   一九 われわれが趣味判断に付与する主観的必然性は、条件づけられている
   二〇 趣味判断が主張する必然性の条件は、ある共通点の理念である
   二一 はたして共通感は根拠をもって前提されることができるか
   二二 趣味判断においては、普遍的賛同の必然性が考えられるが、この必然性
         は、共通感の前提の下で客観的と表象される主観的必然性である
  分析論第一章にかんする一般的な注
 第二章 崇高の分析論
   二三 美しいものの判定能力から崇高なものの判定能力への移行
   二四 崇高の感情の探究の区分について
  A 数学的に=崇高なものについて
   二五 崇高という名称の解明
   二六 崇高の理念のために必要な、自然諸事物の大きさの評価について
   二七 崇高なものの判定における適意の質について
  B 自然の力学的に=崇高なものについて
   二八 勢力としての自然について
   二九 自然の崇高なものについての判断の様相について
  情感的反省的判断の開明にかんする一般的な注
  純粋な情感的判断の演繹
   三〇 自然の対象についての情感的判断の演繹は、われわれが自然において         崇高とよぶものにむけられる必要はなく、美しいものにのみにむけられ         ればよい
   三一 趣味判断の演繹の方法について
   三二 趣味判断の第一の特有性
   三三 趣味判断の第二の特有性
   三四 趣味のいかなる客観的原理も可能ではない
   三五 趣味の原理は判断力一般の主観的原理である
   三六 趣味判断の演繹という課題について
   三七 ある対象についての趣味判断において、いったいなにが
         アプリオリに主張されるのか
   三八 趣味判断の演繹
   三九 感覚の伝達可能性について
   四〇 一種の共通感〔sensus communis〕としての趣味について
   四一 美しいものに対する経験的関心について
   四二 美しいものに対する知性的関心について
   四三 技術一般について
   四四 美術について
   四五 美術は、それが同時に自然であるように見える限りでの技術である
   四六 美術は天才の技術である
   四七 天才についての上述の解明の説明と立証
   四八 天才と趣味との連関について
   四九 天才を形成する心の諸能力について
   五〇 美術の産物における趣味と天才との結合について
   五一 諸美術の区分について
   五二 同一の産物における諸美術の結合について
   五三 諸美術相互の間での情感的価値の比較
   五四 注
第二編 情感的判断力の弁証論
   五五
   五六 趣味の二律背反の提示
   五七 趣味の二律背反の解決
     注 一
     注 二
   五八 情感的判断力の唯一の原理としての、自然ならびに
         芸術の合目的性の観念論について
   五九 道徳性の象徴としての美について
   六〇 付録 趣味の方法論について

訳注者あとがき
索引 
 

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