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  2005年06月15日発売

国家とはなにか

萱野 稔人 著

四六判 上製カバー装 296頁
定価:本体2,600円+税
ISBN 4-7531-0242-4 C0010 
            国家が存在し、活動する固有の原理とは何か。
            「国家は暴力に関わる一つの運動態である。」
  この明解な視点から現代思想の蓄積をフルに動員し、国家概念に果敢に挑む。
                 次世代を担う国家論の展開。

いま、「国家とはなにか」と改めて問われても、何を問われているのか分からないほど、私たちは国家というものを身近なものと感じ切ってしまっています。本書は、この身近と思っている国家は、基本的には「暴力に関わる一つの運動態である」という、あまり身近と思いたくない概念規定から論を始めています。
近年、グローバリゼーションと同時にナショナリズムやレイシズムへの関心も高まってきて、その意味では国家に関する議論が盛んになっていますが、本書は「暴力に関わる一つの運動態」という基本的概念から初めて、昨今の「国民国家論」に至る、現代思想の主要なテーマ系にも十分配慮した、書き下ろしです。

【著者紹介】
萱野 稔人 (かやの としひと)
1970年生まれ。2003年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了(パリ大学哲学博士)。現在、津田塾大学国際関係学科准教授。
著書に『カネと暴力の系譜学』(河出書房新社)、『権力の読みかた―状況と理論』(青土社)、『「生きづらさ」について』(光文社新書、雨宮処凛との共著)、『金融危機の資本論―グローバリゼーション以降、世界はどうなるのか』(青土社、本山美彦との共著)、『超マクロ展望―世界経済の真実』(集英社新書、水野和夫との共著)、『ナショナリズムは悪なのか』(NHK出版新書)ほか。

【目次】
第一章 国家の概念規定
1.「物理的暴力行使の独占」――ウェーバーによる国家の定義
2.暴力の正当性と合法性
3.暴力の自己根拠化とヘゲモニー
4.「暴力の歴史の哲学」

第二章 暴力の組織化
1.秩序と支配の保証
2.服従の生産――権力と暴力
3.暴力と権力の規範的区別と機能的区別
4.権力による暴力の組織化と加工
5.手段をこえる暴力?

第三章 富の我有化と暴力
1.富の我有化と暴力の社会的機能
2.税の徴収の根拠
3.設立による国家と獲得による国家
4.所有・治安・安全
5.国家形態の規定要因と「国家なき社会」

第四章 方法的考察
1.国民国家批判の陥穽
2.国家・イデオロギー・主体――国家=フィクション論の誤謬(1)
3.国家と言説――国家=フィクション論の誤謬(2)

第五章 主権の成立
1.暴力をめぐる歴史的問題としての主権
2.近代以前の国家形態
3.暴力の独占と政治的なものの自律化
4.領土と国境
5.「大地のノモス」と世界の地図化
6.国境と領土による国家の脱人格化

第六章 国民国家の形成とナショナリズム
1.国民国家とナショナリズムの概念的区別
2.国家の暴力の「民主化」
3.神学的・経済的なものと国家のヘゲモニー
4.権力関係の脱人格化
5.主権的権力と生‐権力の結びつき
6.ナショナル・アイデンティティの構成

第七章 国家と資本主義
1.捕獲装置と資本主義
2.全体主義的縮減――国家の現在
3.脱領土化する国家
4.公理をめぐる闘争 
 

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