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  2008年07月31日発売

憂鬱な国/憂鬱な暴力
精神分析的日本イデオロギー論

小林 敏明 著

四六判 上製カバー装 248頁
定価:本体2,500円+税
ISBN 978-4-7531-0264-8 C0010 
戦争体験の風化に反比例するかのように、いまなぜ〈戦争と罪責〉という問題が再浮上してくるのでしょうか?
「戦争と負い目」の問題を精神病理学的な視点から深め、三島由紀夫、竹内好などの「近代の超克論」などを分析しながら、「近代性と感情」という視座から日本思想史の読み直しを試みます。

【著者紹介】
小林 敏明 (こばやし としあき)
1948年生まれ。ベルリン自由大学学位取得。ライブツィヒ大学教授資格取得を経て、現在ライブツィヒ大学東アジア研究所教授。
著書に『精神病理からみる現代思想』(講談社現代新書)、『西田幾多郎‐他性の文体』(太田出版)、『西田幾多郎の憂鬱』(岩波書店)、『廣松渉―近代の超克』(講談社)など。

【目次】
序章 戦争と罪責意識について
 子を失った母の悲しみ
 本書の出発点
 形而上学化される罪
 暴力・他者・審級
 審級と自立の問題

第T部 メランコリーと暴力
第一章 戦争とメランコリー
      ――アインシュタイン・フロイト往復書簡に寄せて
 アインシュタインの呼びかけ
 法と暴力の起源
 タナトスの昇華は可能か
 良心のジレンマ
第二章 負い目あるいは権力意識の発生
      ――ニーチェからフーコーへ
 はじめに
 ルサンチマンの力学
 メランコリーの倒錯
 インクルデンツとレマネンツ
 権力意識の構造

第U部 戦後天皇制をめぐって
第三章 無のレトリック
      ――日本的イデオロギーの一原型・和辻哲郎
 はじめに
 「神聖な無」という絶対者
 無限責任・無責任
 欲しないよりは、まだしも無を
 ナルシスティックな鏡とまなざしの回帰
第四章 憂鬱な国
      ――三島由紀夫「文化防衛論」を再読する
 はじめに
 死のアウラ、あるいは倒錯する日常
 創造的フォルムとしての文化と全体性
 戦後ナショナリズムの諸相
 天皇――無に向かって急進化する象徴

第V部 アジアの近代
第五章 ナショナリズムにおける感情の問題
      ――孫歌『アジアを語ることのジレンマ』との対話の試み
 西安事件の背後へ
 歴史感と歴史観の相克
 死者はあらゆる「事後」を無化する
 ナショナル化される感情
第六章 「近代の超克」とは何か
      ――日本近代思想史への一視角
 はじめに
 超克と修正
 他者としての近代
 竹内好の「抵抗」
 丸山眞男の「古層」
 むすび

参考・引用文献
あとがき 
 

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