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  2010年11月30日発売

「近代の超克」と京都学派
近代性・帝国・普遍性

酒井 直樹 編
磯前 順一 編

A5判 上製カバー装 368頁
定価:本体3,600円+税
ISBN 978-4-7531-0285-3 C0010
アジア・太平洋戦争の最中、1942年の座談会「近代の超克」をめぐる、日本・欧米・アジアの研究者による国際シンポジウム!

「近代の超克」が提起した問題を、パックス・アメリカーナが揺らぎ始め、国際秩序の再編の時期に、近代性、帝国、普遍性など優れて現代的な視点から歴史的な再検討を試みる。ことに、「近代の超克」の座談会には参加しなかった三木清も含め、西田幾多郎から田邊元を経て、第三世代の三木や西谷啓治へ繋がっていく京都学派は、特に新カント派、マルクス、ヘーゲル、フッサール、ハイデッガーを丹念に読破し、西洋近代思想の受容に多大な成果を上げると同時に日本特有の文化という言説を創出していった。その壮大な経緯の批判的な検討。 

【編者紹介】
酒井 直樹 (さかい なおき)
1946年生まれ。シカゴ大学人文学部極東言語研究学科博士課程修了。現在、コーネル大学教授。
著書に、『日本思想という問題』(岩波書店)、『過去の声』(以文社)、『希望と憲法』(以文社)など多数。 

【編者紹介】
磯前 順一 (いそまえ じゅんいち)
1961年生まれ。国際日本文化研究センター准教授。東京大学大学院博士課程中退。著書に、『記紀神話と考古学―歴史的始原へのノスタルジア』(角川学芸出版)など多数。 

【目次】
序 パックス・アメリカーナの下での京都学派の哲学
1.「西洋」対「日本」
2.谷崎潤一郎におけるポストコロニアリズム
3.東洋精神の表現者としての京都学派哲学
4.文明論的転移の陥穽
5.西洋の誕生
6.日本占領政策と京都学派
7.普遍主義の比較研究へ

1.「近代の超克」と京都学派 

「近代の超克」と京都学派―近代性・帝国・普遍性
1.絡み合った言説―西洋とアジア
2.モダニティの内部と外部―外部性の探求
3.「近代の超克」と「世界史の立場と日本」―現在性をいかに発話するか
4.普遍性の両義性―帝国と植民地
5.他者と暴力―身体の深みから

座談会「近代の超克」の思想喪失―近代とその超克をめぐる対立
1.はじめに
2.座談会「近代の超克」が目ざしたもの
3.「思想喪失」の放談会
4.他者としての「近代」
5.自己としての「近代」
6.下村寅太郎の「近代」
7.座談会「近代の超克」が果たしたもの/果たさなかったもの

西谷啓治と近代の超克(一九四〇 ― 一九四五年)
1.世界における日本の再配置
2.脱亜入欧する日本の精神
3.科学的世界観の相対化
4.近代を超克する論理

2.三木清と帝国の哲学―普遍性をめぐって

東亜共同体論と普遍性をめぐって―主体的技術論序説
1.再帰性としてのアジア
2.東亜共同体のアポリア
3.国民の人種化:国体の戦前・戦後
4.人種概念の変遷
5.人種主義進展の歴史
6.人種主義を歴史化するために

「近代の超克」と「中国革命」―戦後日本思想史における二つのモメント
1.「近代の超克」という座談会の問題性
2.発掘の方法:竹内好の認識論
3.「中国革命」:対極においての近代
4.毛沢東の思想:中国革命の政治性
5.ふたたび竹内好:近代の超克から中国革命へ

3.「近代の超克」と「世界史的立場と日本」―帝国の役割

「近代の超克」思想と「大東亜共栄圏」構想をめぐって
1.なぜ、今日、「近代の超克」を問うのか
2.デモクラシーがファシズムを裁く―東京裁判史観
3.螺旋運動というレトリック―丸山真男「超国家主義の倫理と心理」
4.突然変異説―丸山真男「日本の思想」
5.二重性論の限界
6.結び

同化あるいは超克―植民地朝鮮における近代超克論
1.「日本人になること」
2.朝鮮・日本の地方化
3.「東洋人は東洋人同士で仲良く生きていくだろう」
4.「近代の超克」と普遍としての東洋

4.総合研究:日本における西洋近代の経験

近代との格闘―ジェイムズ・カズンズと日本・インド・脱植民地の文化

西洋の針路の喪失/東漸の終焉と脱ヨーロッパ化
1.「ヨーロッパ的なもの」と「脱ヨーロッパ化」
2.「人生」・「運命」・「自由の奇跡」
3.「近代の超克」
4.資本再び
5.復讐と?しの循環の回避

「西側」近代性に対する抵抗と、「東洋的」沈潜への誘惑と
1.二階建てモデルと「東洋」のジレンマ
2.媒介者の命運
3.トポスとしての全体と自己犠牲
4.異質性と同質性のあわい
5.山崎闇斎と竹内好
6.哲学の主体は西欧世界の独占か
7.両大戦間の東西思想論争
8.人間性の倫理への疑問
9.聖書と論語
10.浄化思想の反復脅迫
11.「個」と「全体」の循環、あるいは霊の再生
12.Disorientation of the Orient 東洋を見失って?:結論

あとがき―討議の後で
 

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