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2011年11月07日発売
脱 帝国
方法としてのアジア
陳光興(チェン・グァンシン) 著
丸川 哲史 訳
A5判 上製カバー装 304頁
定価:本体3,200円+税
ISBN 978-4-7531-0294-5 C0010 |
アジアを代表する知識人による新たな政治的方法論とその可能性!
9・11以後のアメリカの新世界戦略、中国の台頭など、グローバリゼーションの新展開をふまえ、アジアにおけるカルチュラルスタディーズの第一人者が、欧米理論を応用するのではなく、アジアの国同士の比較・検証によって新たな方法論と政治の可能性を押し開く。「冷戦」によって阻まれた「脱植民地化」を、アジアの国々のなかの〈内なる帝国=アメリカ〉を問い直すことによって、真の「脱帝国」へとつなげる画期的理論=実践の書。
日本、中国、韓国、シンガポール、そしてインドへ。台湾の大学教授である著者・陳光興氏は、アジアじゅうの知識人を結ぶ学術雑誌・運動を組織し、英国カルチュラルスタディーズの創始者スチュアート・ホールから、「カルチュラルスタディーズを決定的に変容させ深化させた」と絶賛されている。竹内好「方法としてのアジア」を解読する最新論文を日本語版独自収録。
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【著者紹介】
陳光興 (チェン・グァンシン)
1957年生まれ。台湾の交通大学教授。社会文化研究所に所属、アジア太平洋/文化研究室の責任者。シンガポール大学顧問客員研究員、韓国延世大学と北京清華大学の客員研究員、上海大学の客員教授などにも任ぜられる。『台湾社会研究季刊』のメンバーであり、また雑誌Inter-Asia
Cultural Studies:Movementsの共同編集委員。著作にAsia as method:towards deimperialization
(Duke University press,2010)、『帝国の眼差し』(韓国、2003)、『メディア/文化批判の民主主義逃走路線』(台北、1992)など。
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【訳者紹介】
丸川 哲史 (まるかわ てつし)
1963年生まれ。明治大学政治経済学部・同大学大学院教養デザイン研究科所属(東アジア文化論・台湾大学)。
著書に『魯迅と毛沢東』(以文社)、『台湾、ポストコロニアルの身体』『帝国の亡霊』(以上、青土社)、『台湾ナショナリズム』(講談社)、『竹内好』(河出書房新社)、『ポスト〈改革開放〉の中国』(作品社)、共訳書に『ジャ・ジャンクー「映画」「時代」「中国」を語る』(以文社)など。
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【目次】
日本語版へのまえがき 蠢動する植民地の亡霊
序章 グローバル化と脱 帝国
領域
立論
歴史叙述
推論
方法
T 脱 帝国 51クラブ及び帝国主義を前提とする民主運動
@ 問題意識
A 51クラブを読む
B 如何にアメリカニズムを理解するのか?
C アメリカニズムと国民主義の相補性
D 九・一一後のアメリカニズム
E 民主運動と帝国主義
F 脱米とアジア独立の問題
G グローバル民主運動の前提であり動力たる脱 帝国
まとめ:脱 帝国
U アジアを方法とする 「脱亜入米」を超える知識状況
@ 問題意識:「脱亜入米」
A 「西洋」問題
B 参照対象の転換:パルタ・チャタジーとの対話――民間と政治社会
C アジアを方法とする:溝口雄三との対話
D 目下の知識状況を乗り越え、東アジアの批判的連帯へ
補論 竹内好 一九六〇年「方法としてのアジア」を読む
目下の知識構造の省察として
終章 中華帝国ヒエラルキー下の漢人による人種差別
原注
訳者解説 参考文献 |
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