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2012年09月24日発売

レイシズム・スタディーズ序説

鵜飼 哲 著
酒井 直樹 著
テッサ・モーリス=スズキ 著
李 孝徳 著

四六判 上製カバー装 320頁
定価:本体2,800円+税
ISBN 978-4-7531-0304-1 C0010 
             レイシズムが立ち現れる現場

人種主義(レイシズム)が立ち現れる現場は、ある社会的な関係が人体の特徴などを通して反照し、私と他者の自己画定(アイデンティティ)を同時に限定するときである。この投射されたアイデンティティ・ポリティックスは現代のあらゆる社会関係に随伴する。本書は、この視点から、近代化とグローバル化で不透明化された現代を読み解く壮大な試みである。

【著者紹介】
鵜飼 哲 (うかい さとし) 一橋大学教授。
著書に『抵抗への招待』(みすず書房)、『償いのアルケオロジー』(河出書房新社)、『応答する力』(青土社)、『主権のかなたで』(岩波書店)など。

酒井 直樹 (さかい なおき) コーネル大学教授。
著書に『過去の声』『希望と憲法』(以文社)、『死産される日本語・日本人』(新曜社)、『日本/映像/米国』(青土社)など。

テッサ・モーリス=スズキ (Tessa Morris-Suzuki) オーストラリア国立大学教授。
著書に『日本の経済思想』『過去は死なない』『自由を耐え忍ぶ』(岩波書店)、『辺境から眺める』(みすず書房)など。

李 孝徳 (り・たかのり/イ・ヒョドク) 東京外国語大学准教授。
著書に『表象空間の近代』(新曜社)。
訳書にG・M・フレドリクソン『人種主義の歴史』(みすず書房)など。

【目次】
レイシズム・スタディーズへの視座  酒井直樹
移民を拒否するアイデンティティ・ポリティックス
科学的人種主義から文化主義的人種主義へ
近代国際世界の成立と「西洋」
東アジア国際世界における主権国家と国体
「一視同仁」:全体化と個人化の総合
平等と人種主義
人種主義と植民地主義
人種主義と知識
帝国の喪失以降の日本の状況
西洋と文明論的転移(トランスフェランス)
人種主義には実定的な外部は存在しない

グローバル化されるレイシズム  テッサ・モーリス=スズキ
レイシズムの定義
グローバル化の背景
典型的なフレーズ
オランダ極右のメディア利用
オーストラリアの人種差別的暴動とラジオ
在特会の映像詐術
レイシズムへの対抗策

移民/先住民の世界史  イギリス、オーストラリアを中心に
テッサ・モーリス=スズキ(聞き手:李孝徳)

イギリスからオランダ、ソ連、日本、韓国、オーストラリアへ
イギリスの移民問題
労働運動における人種問題の不可視化
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、オーストラリアの白豪主義と移民問題
アポリジニとオーストラリア社会
アイヌと日本
多文化主義、教育とメディア
差別と政治
ヨーロッパの普遍主義と人種差別

共和主義とレイシズム  フランスと中東問題を中心に  
鵜飼哲(聞き手:李孝徳)
 
アラブ・ナショナリズムから「イスラム原理主義」へ
フランスの異邦人
アフリカとイスラム
移民と郊外
「ブールの行進」とSOSラシスム
ユダヤ系知識人の変貌
ルナンの国民概念の陥穽
「人間」主義とレイシズム
人間性の尊重・平等・同化
イスラムと近代
西洋にとってのユダヤ・イスラムと、日本にとっての朝鮮、中国
日本のレイシズムと学術人類館

近代化とレイシズム  イギリス、合衆国を中心に
酒井直樹(聞き手:李孝徳)
人種差別の現場に立ち会う
差別の不可視化
マルクス主義と人種問題
移民法と対日戦争
地域研究のまなざしの構造
地域研究と比較文学の新しい流れ
被害者を加害者に追い込む暴力
ルサンチマンによる政治の再構成
反面教師としての日本
田辺元の人種主義批判と帝国的国民主義

新しいレイシズムと日本
鵜飼哲 X 酒井直樹 X テッサ・モーリス=スズキ X 李孝徳

レイシズム分析の射程
日本のポストコロニアル
血統主義と生地主義
血統主義と生物的レイシズム
戦前日本の人種主義体制
国民の資格
日本の移民政策の現状
国民意識と人種主義
戦後世界の移民政策
国籍と戸籍、日英比較
帝国の喪失と忘却
レイシズムの多様性
多文化主義の難しさ
「市民運動」としての在特会
被害者意識と差別
中国へのルサンチマン
「歴史による権利」「労働による権利」
反レイシズムと法律
国民国家論以後の学問状況
辺境から眺める

レイシズムの構築  エティエンヌ・バリバール  佐藤嘉幸 訳

用語解説
 

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