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官僚制のユートピア
テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則

デヴィッド・グレーバー 著
酒井 隆史 訳

四六判 上製カバー装  388頁
定価:本体3,500円+税
ISBN 978-4-7531-0343-0 C0010
    ―『負債論』で注目されているグレーバーによる
                      鋭い現代社会の人類学的批評!―


  本書の分析対象は、「規制緩和」と総称される現代社会そのものである。翻訳のうえで「ルール」を官僚制としたのは、全く同じことは私企業ではマネージメントといわれており、その性格はかつての官僚制と全く同じことを意味しているためである。

官僚制についての短いサーヴェイに続いて、政府による経済介入の縮小政策は、むしろより多くの規制、官僚、警察官を生みだすという「リベラリズムの鉄則」が描かれる。そして自由な市場経済を維持するためには、ルイ14世風の絶対主義の数千倍のお役所仕事が必要になるという逆説が指摘される。

  この逆説のために〈自由〉や〈合理〉という基本的観念が揺らぎ、コラボだのグループワークだの自己点検、自己評価、創発性といった「クリエイティヴ」な売りに自ら演ずることを強要される。日常における自らの立ち位置が不明瞭となり、自己責任ばかりが強調される雰囲気が醸し出される。

  本書は社会制度から自由などの基本的概念、日常の感情世界にいたるまで、不定期労働者が創生される土壌を人類学する基本図書である。

【著者】

デヴィッド・グレーバー(David  Graerber)

1961年、ニューヨーク生まれ。文化人類学者・アクティヴィスト。ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス人類学教授。

著書:『アナーキスト人類学のための断章』(以文社,2006年)
    『資本主義後の世界のために』(以文社,2009年)
    『負債論』(以文社,2016年)
    他:Lost Peaple:Magic and the Legasy of Slavery in Madagascar,Indiana
      University Press.Toward on Anthoropological Theory of Value:The False
      Coin of Our Own Dreams(Palgrave,2001).

           Direct Action:An Ethnography(AK Press,2007),On Kings(HAU,近刊)など
      多数。 

【訳者】

酒井 隆史(さかい たかし)

大阪府立大学教員。専攻は社会思想史、都市形成史。

著書:『自由論』(青土社,2001年)

『暴力の哲学』河出文庫,2016年)

『通天閣―新・日本資本主義発達史』(青土社,2011年)

マイケル・ハート、アントニオ・ネグリ『〈帝国〉』共訳(以文社、2003年)

    デヴィッド・グレーバー『負債論』監訳(以文社,2016年)など多数。 

【目次】

序 リベラリズムの鉄の法則と全面的官僚制化の時代

リベラリズムの鉄則
 1 物理的暴力そのものの重要性を過小評価してはならない
 2  原則としてのテクノロジーの重要性を過大評価するな

1 想像力の死角? 構造的愚かさについての一考察

2 空飛ぶ自動車と利潤率の傾向的低下
 テーゼ 一九七〇年代に、いまとはちがう未来の可能性と結びついたテクノロジー       への投資から、労働規律や社会的統制を促進させるテクノロジーへの投資      の根本的転換がはじまったとみなしうる。
 アンチテーゼ とはいえ、莫大な資金を得ている科学やテクノロジーの領域すらも、          もともと期待されていたブレイクスルーをみていない。

 ジンテーゼ 詩的テクノロジーから完了性的テクノロジーへの移行について
3 規則(ルール)のユートピア、あるいは、つまるところ、なぜわたしたちは心から官   僚制を愛しているのか
 1 脱魔術化の魔術化、あるいは郵便局の魅力
 2  精神性の一形式としての合理主義
 3  反官僚制的ファンタジーの官僚制化について
 4  規則(ルール)のユートピア

補論 バットマンと構成的権力の問題について

訳者あとがき 
 

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