死の骨董 

    骨董をめぐる青山二郎と小林秀雄の確執をはじめて本格的に論じ、
            第6回三田文学新人賞を受賞した労作。
 

奇人ぶりをたのしむだけならともかく、青山二郎について真剣に語ろうとすれば、必ず小林秀雄に向かい、骨董を無視することなく小林秀雄について徹底して論じようとすれば、必ず青山二郎に向かう。・・・
青山二郎の鑑賞と小林秀雄の批評の間に、網や鎖が何重にも張り巡らされていることを見ない者は、二人のうちどちらかを、あるいはどちらをも、無視するか神格化してしまうことになるだろう。 

【著者紹介】
永原 孝道 (ながはら たかみち)
1963年生まれ。作家。
1999年、「お伽噺の王様」(本書収録)で第6回三田文学新人賞受賞。同年、『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』(新潮社、1999)で第11回日本ファンタジーノベル賞を受賞。
著書に、詩集『イライザのために』(七月堂、1994)、『ワードウォーズ 言語は戦争する』(沖積社、1995)、小説『聚楽 太閣の錬金術』(新潮社、2002)などがある。

【目次】
第一章 お伽ばなしの王様 青山二郎からはじまる
 1 美意識の球体からの脱出
 2 骨董、あるいは「物質に対する情熱」
 3 李朝陶磁をめぐる遡行
 4 すでに魂は〈関係〉それ自身となり
 5 俺は消費という創造を生きているのだ

第二章 霊の戦 大戦下、小林秀雄の地獄の季節
 第一歌 『戦争と平和』――海と溶け合ふ太陽
 第二歌 『当麻』――架空のオペラ
 第三歌 『「ガリア戦記」』――祖先ゴオル人達
 第四歌 『無常といふ事』――俺は死人達を腹の中に埋葬した
 第五歌 『平家物語』――太陽と肉体
 第六歌 『徒然草』――俺に食ひ気があるならば
 第七歌 『バッハ』――をかしな夫婦もあつたものだ
 第八歌 『西行』――もう秋か
 第九歌 『実朝』――光り輝く街々に這入らう
 第十歌 『ゼークトの「一軍人の思想」について』――魂の裡にも肉体の裡にも、
                                 真実を所有する

第三章 死の骨董 小林秀雄はなぜ青山二郎と訣別したか
 1 骨董論の痼り
 2 死の物質化
 3 死のヴィジョン
 4 ゴッホをめぐる対決
 5 二つの骨董

 後書きにかえて
 追記  


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