歴史のなかの朝鮮籍

鄭栄桓

装幀:近藤みどり
2022年2月1日発売
四六判 上製カバー装 512頁
定価:本体4,600円+税
ISBN 978-4-7531-0368-3​

国籍か、それとも出身地か──

1947年5月2日、日本の外国人法制に登場し、今日に至るまで存続している「朝鮮籍」。植民地支配からの解放後も日本で暮らし続けた朝鮮人たちに与えられたこの奇妙な「国籍」の歴史を、日韓の外交文書、法務省や地方自治体の行政文書、裁判記録、そして政党・民族団体の残した文書などの一次史料を精緻に読み解くことで明らかにする。


目次

序 章 朝鮮籍をめぐる問い
第1章 朝鮮籍の誕生──「地域籍」から「出身地」へ
第2章 南北分断の傷痕──韓国籍の登場
第3章 戦時下の「国籍選択の自由」──朝鮮戦争と国籍問題
第4章 国籍に刻まれた戦争──いかにして朝鮮籍は継続したか
第5章 同床異夢の「朝鮮国籍」──停戦から帰国事業へ
第6章 日韓条約体制と朝鮮国籍書換運動
補 章 再入国許可制度と在日朝鮮人
終 章 朝鮮籍という錨
あとがき 


著者

鄭 栄桓  (チョン・ヨンファン)

明治学院大学教養教育センター教授(歴史学)。1980年、千葉県に生まれる。明治学院大学法学部卒、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了(社会学博士)。立命館大学コリア研究センター専任研究員、明治学院大学教養教育センター専任講師、准教授を経て現職。専門は朝鮮近現代史・在日朝鮮人史。著書に『朝鮮独立への隘路 在日朝鮮人の解放五年史』(法政大学出版局、2013年、第13回林鍾國賞受賞〔朝鮮語版〕)、『忘却のための「和解」 『帝国の慰安婦』と日本の責任』(世織書房、2016年)、訳書に権赫泰『平和なき「平和主義」 戦後日本の思想と運動』(法政大学出版局、2016年)等がある。


お詫びならびに訂正

小社出版物につきまして下記の訂正をご報告いたします。ご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

鄭栄桓『歴史のなかの朝鮮籍』(2022年1月刊行、初版第1刷)の内容に一部、表記に誤りがございました。正しくはこちらをご確認ください。謹んでお詫び申し上げるとともに、ここに訂正いたします(2022年4月27日)。