ありふれた〈平和都市〉の解体

広島をめぐる空間論的探求

仙波希望

装幀:近藤みどり
2024年8月1日発売
A5判 並製カバー装 432頁
定価:本体4,200円+税
ISBN 978-4-7531-0388-1

〈平和都市〉に生まれた「原爆スラム」とは何か?
1958年の「復興博」と戦前の「昭和博」「時局博」を貫くアクターたち
彼らが夢見た〈平和都市〉とは何だったのか?
そして平和塔・平和の鐘はなぜ複数あるのか?
いくつもの問いとともに描かれる、
戦前と戦後を跨ぐ「8月6日」に収斂しない広島とは――

気鋭の都市研究者が描く、異端の広島論


目次

序論

[理論篇]

第1章 広島研究という課題

第2章 都市研究からの補助線

[事例篇]

第3章 〈平和都市〉の発明、都市の変遷──瀬戸内海の大観光センターポイントから聖地へ

第4章 〈平和都市〉の舞台、都市の夢──「大広島」、昭和博、時局博、そして「東洋のヴェニス」

第5章 〈平和都市〉の終焉、臨界と永続──「原爆スラム」の隆起と喪失

第6章 〈平和都市〉の〈平和塔〉──複数の空間的実践について

第7章 批判と応答

結論

あとがき

文献


著者

仙波希望  (センバ ノゾム)

1987年、広島生まれ。札幌大谷大学社会学部地域社会学科准教授。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程国際社会専攻修了。博士(学術)。専門は都市研究、カルチュラル・スタディーズ。主な著書に『惑星都市理論』(共編、以文社、2021年)、『忘却の記憶』(共編、月曜社、2018年)。主な業績に「「平和都市」の「原爆スラム」」(『日本都市社会学会年報』第7回日本都市社会学会若手奨励賞受賞、2016年)。