間隙を思考する
グリッチ・コミュニズムの方へ
田崎英明
装幀:宗利淳一
2024年12月18日発売
四六判 並製カバー装 344頁
定価:本体3,200円+税
ISBN 978-4-7531-0392-8
ヒップホップ、パレスチナ、クィアな身体、映画のスクリーン、物語るオブジェ、叛乱する群衆たち……同じものの狭間で立ち上がり、異なるものの共通性を鳴り響かせる、グリッチ=ノイズの政治哲学。充実の文献案内付き。
目次
はじめに グリッチ・ノイズ――間隙にあるものは何か
Part 1 間隙のリアリズム
二つのマインドのあいだで(1) ――Nas/ジェイ-Z
二つのマインドのあいだで(2)
二つのマインドのあいだで(3) ――Time is Illmatic
生世界/死世界――パレスチナと私のあいだで
いくつもの帰郷の物語
ヒトはなぜ歌うのか
黒い方舟を追って
ナルシシズムのラディカル化のために
Part 2 間隙のコミュニズム
表象と表象ならざるもの
諸身体はいかに接続されるか(1)――フォーディズム
諸身体はいかに接続されるか(2)――ポストフォーディズム
常時接続された身体
失敗した世界で――レオ・ベルサーニのために
耳の中の虫たち
オブジェは語ることはできるか
表象は何をするのか
Part 3 間隙のアフェクト
情動的地図
資本主義の下でなぜこんなにも家族が問題になるのだろうか
暴力と非暴力のあいだで
目的と手段のあいだで
Possession/Possessed
ポストフォーディズムとは何か
実存という傷、セクシュアリティ、あるいは二つの時間のあいだ
希望というアフェクト
附論
Nas『タイム・イズ・イルマティック』ストリートのサヴァイヴァル=死後の生について
フェティシズムの善用あるいは「復活の復活」のために――政治神学的覚書
息をする、立ち上がる
現代思想としてのマルクス主義(1)―― 二〇世紀からネグリまで
現代思想としてのマルクス主義(2)―― 唯物論、自然、社会的再生産
書誌的補足
おわりに グリッチ・コミュニズムの方へ
著者
田崎英明 (タザキ ヒデアキ)
1960年生まれ。立教大学現代心理学部教員。ポストコロニアル・ポストヒューマン・クィア理論、評議会社会主義、カトリコ・コミュニスム。著書に『ジェンダー・セクシュアリティ』(岩波書店)、『無能な者たちの共同体』(未來社)、『夢の労働 労働の夢――フランス初期社会主義の経験』(青弓社)など。訳書にスラヴォイ・ジジェク『否定的なもののもとへの滞留――カント、ヘーゲル、イデオロギー批判』(共訳、筑摩書房)など。