目的のない手段
政治についての覚え書き
G・アガンベン
高桑和巳 訳
装幀:近藤みどり
2024年10月12日発売
四六判 上製カバー装 200頁
定価:本体2,600円+税
ISBN 978-4-7531-0390-4
【『人権の彼方に 政治哲学ノート』新訳改訂版】
「剝き出しの生」「例外状態」「難民」「収容所」「身振り」「開かれ」「言語運用」……。
20世紀後半、冷戦体制の崩壊と資本主義のグローバル規模の拡大のなかで紡がれたアガンベンの現代批評は、21世紀の現代においても、今なお、有効な分析に満ち溢れている。
本書で言及された多くの概念は、主著『ホモ・サケル』やそのほかの「ホモ・サケル」シリーズにおいて展開された。
その意味では、本書は「ホモ・サケル」シリーズの最良の副読本と言えるだろう。
目次
序
1
〈生の形式〉
人権の彼方に
人民とは何か?
収容所とは何か?
2
身振りについての覚え書き
言語と人民
『スペクタクルの社会についての註解』の余白に寄せる註釈
顔
3
主権的治安
政治についての覚え書き
この流謫にあって―― イタリア日誌 一九九二― 九四
翻訳者あとがき
著者
ジョルジョ アガンベン (Giorgio Agamben) (著)
1942年生まれ。哲学者。主要著作に『ホモ・サケル』(以文社)、『アウシュヴィッツの残りのもの』(月曜社)、『例外状態』(未來社)、『王国と栄光』(青土社)、『身体の使用』(みすず書房)を含む「ホモ・サケル」シリーズ(全9冊)のほか、『スタンツェ』(ちくま学芸文庫)、『散文のイデア』(月曜社)、『到来する共同体』(月曜社)、『残りの時』(岩波書店)、『思考の潜勢力』(月曜社)、『書斎の自画像』(月曜社)などがある。
訳者
高桑 和巳 (タカクワ カズミ)
1972年生まれ。慶應義塾大学教授。著書に『アガンベンの名を借りて』(青弓社)、『哲学で抵抗する』(集英社新書)、訳書に上記『散文のイデア』、『ホモ・サケル』、『思考の潜勢力』、『王国と栄光』を含むアガンベンの著作多数のほか、ミシェル・フーコー『安全・領土・人口』(筑摩書房)、イヴ‐アラン・ボワ&ロザリンド・E・クラウス『アンフォルム』(共訳、月曜社)、ジャック・デリダ『死刑Ⅰ』(白水社)などがある。