人権の彼方に──政治哲学ノート
ジョルジョ・アガンベン(高桑和巳 訳、西谷修 解題)
今日のスペクタクルな社会の議会−資本主義政治のなかで宙吊りにされたわれわれの生。その生の喘ぎは、世界規模での難民の創出、テロリズム、日常の中にほころび出る異形の暴力などの外部として、この世界を縁どっている。現代の生の困難とその隠れた母型を明かす新しい政治の思考。
目次
Ⅰ
〈生の形式〉
人権の彼方に
人民とは何か?
収容所とは何か?
Ⅱ
身振りについての覚え書き
言語と人民
『スペクタクルの社会に関する注解』の余白に寄せる注釈
顔
Ⅲ
主権警察
政治についての覚え書き
この流謫にあって
解題「「例外状態」と「剥き出しの生」」(西谷修)
著者
ジョルジョ・アガンベン (Giorgio Agamben)
1942年生まれ。哲学者。マチェラータ大学、ヴェローナ大学、ヴェネツィア建築大学で教えた後、現在、ズヴィッツェラ・イタリアーナ大学メンドリジオ建築アカデミーで教鞭をとる。『ホモ・サケル』(以文社)、『例外状態』(未來社)、『スタシス』『王国と栄光』(共に青土社)、『アウシュヴィッツの残りのもの』(月曜社)、『いと高き貧しさ』『身体の使用』(共にみすず書房)など多数。
訳者
高桑 和己(たかくわ かずみ)
1972年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。現在、慶應義塾大学理工学部准教授。
著書に、『アガンベンの名を借りて』(青弓社)、編著に『デリダと死刑を考える』(白水社)など。