侵入者──いま〈生命〉はどこに?
ジャン=リュック・ナンシー(西谷修 訳)
わたしの心臓がわたしにとってよそ者になっていた
フランスの現代哲学の第一人者であるナンシーが、自己の心臓移植の体験を語る貴重な証言。心臓移植といういわば「他者」の心臓で生きていることの意味を求めて「命」とは何か? 「他者」を受け容れるとはどういうことか? 「わたし」はどこへゆくのか? といった問いを引き受け、「分有」という、すぐれて今日的な哲学的概念を提唱する。
目次
侵入者
ナンシー、他者の心臓 (インタビュー)
ワンダーランドからの声--「侵入者」の余白に
不死の時代
著者
ジャン=リュック・ナンシー(Jean-Luc Nancy)
1940年生まれ。ストラスブール大学名誉教授。
『イメージの奥底で』『侵入者』(以文社)、『自由の経験』(未來社)、『ヘーゲル』『世界の創造、あるいは世界化』(現代企画室)、『肖像の眼差し』(人文書院)ほか、訳書多数。
訳者
西谷 修(にしたに おさむ)
1950年生まれ.東京大学法学部卒業,パリ第Ⅷ大学留学。東京外国語大学大学名誉教授。
著書に『不死のワンダーランド』(増補版,青土社),『戦争論』(講談社学術文庫)、『世界史の臨界』(岩波書店)、『〈テロル〉との戦争』(以文社)など。訳書にM・プランショ『明かしえぬ共同体』(ちくま学芸文庫)、ピエール・ルジャンドル『ドグマ人類学総説』(平凡社)など多数。