観察者の系譜──視覚空間の変容とモダニティ
ジョナサン・クレーリー(遠藤知巳 訳)
歴史的名著の復刊!
視覚の近代の成立に決定的な役割を果たした〈観察者の誕生〉。本書はこの誕生の諸相をさまざまな視覚器具、絵画、人間諸科学の大胆かつ繊細な分析をとおして明らかにする。観察者の問題は、身体が社会的、リビドー的、テクノロジー的な装置の一要素にどのように組み込まれようとしているかという、視覚文化の根本的に迫るものである。
目次
第1章 近代と観察者の問題
第2章 カメラ・オブスキュラとその主体
第3章 主観的視覚と五感の分離
第4章 観察者の技法
第5章 視覚的=幻視的(ヴィジョナリー)抽象化
著者
ジョナサン・クレーリー(Jonathan Crary)
米国コネティカット州ニュー・ヘイヴン生まれ。1975年コロンビア大学卒業後、1987年に同大学で博士号取得。現在、コロンビア大学教授であり、プリンストン大学建築学科客員教授も勤める。
訳書に、『知覚の宙吊り』(岡田温司監訳、平凡社、2005)、『24/7 眠らない社会』(岡田温司監修、NTT出版、2015年)がある。
訳者
遠藤 知巳(えんどう ともみ)
1965年大阪生まれ、1987年東京大学文学部社会学科卒業、東京大学大学院博士課程(社会学)単位取得退学。現在、日本女子大学人間社会学部教授。社会学(近代社会論、言説分析、メディア論、社会理論)。
著書に『情念・感情・顔』(以文社、2016年)。編著に、『フラット・カルチャー』(せりか書房、2010年)。訳書に、ジョナサン・クレーリー『観察者の系譜』(以文社、2005年)など。