イメージの奥底で
ジャン=リュック・ナンシー(西山達也、大道寺玲央 訳)
これまで数々のイメージ論を発表してきたナンシーのイメージ哲学を結集させた1冊。「神の死」そして「形而上学の終焉」以降の今日、哲学の名のもとに新たな「意味のエレメント」を切り開く。カントからハイデガーまでを貫く形而上学の問題に「イメージ」という観点から切り込み、「世界」の再創造を目論む野心的試み。訳者による長編解説「イメージ・神の死・実共存」も併せて収録。
目次
イメージ――判明なるもの
イメージと暴力
禁じられた表象
異郷化をともなう風景
判明なる振動
仮面の構想力
訳註
解題=イメージイメージ・神の死・共実存
訳者あとがき
著者
ジャン=リュック・ナンシー (Jean-Luc Nancy)
1940年ボルドー生まれ。ストラスブール(マルク・ブロック)大学名誉教授。著書多数。
邦訳書として『無為の共同体』『侵入者』(以上、以文社)、『自由の経験』(未来社)、『ヘーゲル』(現代企画室)、『肖像の眼差し』(人文書院)、『世界の創造、あるいは世界化』(現代企画室)、『複数にして単数の存在』(松籟社)、『ナチ神話』(ラクー=ラバルトとの共著、松籟社)、『映画の明らかさ』(キアロスタミとの共著、松籟社)、『主体の後に誰が来るのか?』(編著、現代企画室)など。
訳者
西山 達也(にしやま たつや)
1976年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。ストラスブール大学大学院博士課程修了。現在、早稲田大学文学学術院教授。
訳書に、ジャン=リュック・ナンシー『訪問――イメージと記憶をめぐって』、フィリップ・ラクー=ラバルト『ハイデガー――詩の政治』、ジャック・デリダ『滞留』(共訳)など。
大道寺 玲央(だいどうじ れお)
1974年生まれ。中央大学大学院文学研究科博士後期課程満期修了。
J=L・ナンシーの指導のもと、ストラスブール(マルク・ブロック)大学哲学科DEA取得(La pensée souveraine chez Georges Bataille, 2002)。