多様なるものの詩学序説
エドゥアール・グリッサン(小野正嗣 訳)
『全 − 世界論』で知られる、エドゥアール・グリッサンの講演/対談集。難解なグリッサンの思想を知るための恰好の入門書。アングロサクソン的「多文化主義」とフランス的「統合」を共に超えるクレオールの思想とはなにか。
目次
・カリブ海地域とアメリカ地域におけるクレオール化
・言語(ラング)と言語活動(ランガージュ)
・文化とアイデンティティ
・混沌―世界:関係性(ルラシオン)の美学のために
対話
・諸言語の想像的なもの(イマジネール)
・作家と場所の息吹き
訳者解題
著者
エドゥアール・グリッサン (Édouard Glissant)
1928年マルティニク島生まれ。現代カリブ海文学を代表する誌人、小説家、思想家。
小説に『レザルド川』(恒川邦夫訳、現代企画室)、『第四世紀』(管啓次郎訳、インスクリプト)ほか。評論に『全―世界論』(恒川邦夫訳、みすず書房)など。
訳者
小野 正嗣(おの まさつぐ)
1970年大分生まれ。東京大学大学院単位取得退学。パリ第8大学文学博士。現在、早稲田大学文化構想学部教授。
小説作品に『水に埋もれる墓』(朝日新聞社、2001年、第12回朝日新文学賞)、『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日新聞社、2002年、第15回三島由紀夫賞)、『九年前の祈り』(講談社、2014年、第152回芥川龍之介賞)ほか。