生のあやうさ──哀悼と暴力の政治学
ジュディス・バトラー(本橋哲也 訳)
自己充足化する世界の中で剥き出しにされた今日の〈生〉。喪、傷つきやすさ(ヴェルネラヴィリティ)、他者への応答責任など、ジェンダー論の成果から紡ぎ出されたポスト9・11の〈生〉の条件。今日、アメリカで最も注目される論客の一人であるバトラーの最新評論集。
目次
序
第1章 解釈と免責――私たちが聞くことのできるものとは?
第2章 暴力、哀悼、政治
第3章 無期限の拘留
第4章 反セム主義という嫌疑――ユダヤ人、イスラエル、公共批判のリスク
第5章 生のあやうさ
著者
ジュディス・バトラー(Judith Butler)
1956年生まれ。
現在、カリフォルニア大学バークレー校、修辞学・比較文学教授。哲学専攻。
主な著書に『アンティゴネーの主張――問い直される親族関係』『アセンブリ――行為遂行性・複数性・政治』(以上、青土社)、『権力の心的な生――主体化=服従化に関する諸理論』『自分自身を説明すること――倫理的暴力の批判』(以上、月曜社)、『戦争の枠組――生はいつ嘆きうるものであるのか』(筑摩書房)、『触発する言葉――言語・権力・行為体』(岩波書店)、ガヤトリ・スピヴァクとの共著に『国家を歌うのは誰か?――グローバル・ステイトにおける言語・政治・帰属』(岩波書店)。
本橋 哲也(もとはし てつや)
1955年東京生まれ。東京大学文学部卒業。イギリス・ヨーク大学大学院英文科博士課程修了。単位取得退学。パリ第8大学文学博士、現在、東京経済大学教授。カルチュラル・スタディーズ専攻。