国力論

装幀:難波園子
2008年5月20日発売
四六判 上製カバー装 224頁
定価:本体2,200円+税
ISBN 978-4-7531-0261-7​

国力論──経済ナショナリズムの系譜 

中野剛志

経済ナショナリズムは、危険な異端思想か?

経済学におけるネイション概念の不在を突き、人間の紐帯を切り崩す支配的な経済理論に警鐘を鳴らす。リスト、ヒューム、ヘーゲルらの思想を読み込み、経済ナショナリズムの有効性を歴史=哲学的に実証した野心的知性。グローバリゼーションの行き詰まりが露わになったいま、今後世界を席巻していくであろうであろう「経済ナショナリズム」の理論をいち早く紹介する。


目次

序章 正統と異端
第1章 もう一つの政治経済学 ハミルトンとリスト
第2章 国力論の源流 ヒューム
第3章 国力の哲学 ヘーゲル
第4章 裏切られた創始者 マーシャル
第5章 経済理論とナショナリズム
終章 経済ナショナリズムの可能性


著者

中野 剛志(なかの たけし)
1971年、神奈川県生まれ。
1996年、東京大学教養学部教養学科(国際関係論)を卒業後、通商産業省(現、経済産業省)に入省。1999年より3年間、英エディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。
2003年、同大学院在学中に書いた論文が、イギリス民俗学(ASEN)Nations and Nationalism Prizeを受賞。
2005年同大学院より博士号(社会科学)を取得。
2010年、経済産業省産業構造課課長補佐を経て。京都大学大学院工学研究科に退職出向。
2012年、経済産業省に復帰。
著書に、『TPP亡国論』集英社(集英社新書、2011年)、『富国と強兵――地政経済学序説』(東洋経済新報社、2016年)など多数。