希望という方法

装幀:難波園子
装画:宇佐美圭司〈大洪水へ〉2007
2009年7月9日発売
四六判 上製カバー装 304頁
定価:本体2,800円+税
ISBN 978-4-7531-0268-6​

希望という方法

宮崎広和

知識を過去志向性から未来へと方向転換させる、方法としての希望。この知性の変換を、マルキシズムとプラグマティズムを綜合した社会理論として展開する。

玄田有史氏推薦!「宮崎さんは希望研究の世界的なパイオニアだ。この本を読めば、「希望」という言葉が、まったく違った響きに聴こえてくるだろう」


目次

第1章 方法としての希望
方法論上の問題としての希望
知識の方向性を転換する
希望の源泉――行為主体(エージェンシー)という問題
希望の瞬間――現在という問題
本書の構成

第2章 挫かれた希望の歴史
スヴァの土地
隠された文書

第3章 部分と全体――自己知識をめぐる政治
分割の論理
新しい全体という会社

第4章 知識を動かす
閉じた知識
添付文書
質問
移住伝承
簡潔を第三者に委ねる

第5章 希望実現の予感
質問と答え
問題と解決
停止した行為主体性

第6章 重複なき反復
過去志向的なものの侵入
希望の限界
主体なき反復

第7章 希望を受け継ぐ


引用文献


著者

宮崎 広和(みやざき ひろかず)
1967年東京生まれ。1990年上智大学外国語学部英語学科卒業。1998年オーストラリア国立大学よりPh.D(人類学)取得。現在コーネル大学人類学科准教授。贈与、金融人類学などに関する論文多数。
著書に、Arbitraging Japan: Traders as Critics of Capitalism(University of Caifornia Press)がある。