VOL 04 都市への権利/モビライゼーション
VOL Collecive 編(責任編集=田崎英明、白石嘉治、木下ちがや、平田周)
都市をめぐる闘いの現場
『VOL』第4号の特集は「都市への権利/モビライゼーション」。資本主義の根幹問題である土地と開発と居住、そしてそれらをめぐるさまざまな闘争・(思考)実践を紹介する。私たちの都市を私たちの手に取り戻すための「都市への権利」という概念は、かつてH・ルフェーブル、近年ではD・ハーヴェイらが唱え、内外であらためてアクチュアリティをもちはじめている。金融恐慌以降、時空間をめぐる問いはかつてなく先鋭化し、世界のあらゆる時・場所が「都市化」をめぐる闘争の現場と化す。
目次
巻頭討議=新しいアナキズムのために
『新しいアナキズムの系譜学』『資本主義後の世界のために』をめぐって
(高祖岩三郎・栗原康・酒井隆史・櫻田和也・白石嘉治・田崎英明・仲田教人・平沢剛・松本麻里・矢部史郎)
特集=「都市への権利/モビライゼーション」
・新たな都市の時空へ 田崎英明(聞き手・平田周)
・都市への権利 デヴィッド・ハーヴェイ(平田周訳)
・場所闘争のためのノート――ローカルの都市、都市におけるローカリティ 宇城輝人
・『国道20号線』から『サウダーヂ』へ 富田克也+相沢虎之助(聞き手・五所純子+前瀬宗祐)
・空間の構築について 篠原雅武
・メトロポリタン・ファクトリー/都市の隅々にまで拡がる資本主義的搾取 スティーブン・シュカイタス&ヴァレリア・グラチアノ(木下ちがや訳)
コラム
・戦後日本における空間占拠の事例、そのエッセンス01〜03 栗原康
・移動=運動=存在としての移民――ヨーロッパの「入口」としてのイタリア・ランペドゥーザ島の収容所 北川眞也
・妄想のパブリックアート@御堂筋 吉澤弥生
書評
・グローバル・ネオリベラリズム以後の都市/東京を読み解くために――サスキア・ サッセン『グローバル・シティ』の邦訳刊行によせて 丸山真央
・過剰人類の氾濫――マイク・デイヴィス『スラムの惑星』を読む 原口剛
・ソーシャルメディア――社会をひらくメディア/媒介する社会(横浜国際映像祭セッションレポート) 吉澤弥生
蜂起 Insurrection
・「メトロポリスと蜂起」にまつわるノート Trans-J Impetus
・メトロポリスの建築に関わる理論的諸問題 co.op/t
・かくして、メトロポリスに狼たちが a.n.
・どうしたらいいか? Tiqqun
・アテネの労働者から学生たちへ
・言葉と身ぶりと共謀――不可視委員会『来たるべき蜂起』刊行によせて 永田淳+谷口清彦
VOL/BOOK
・国家批判におけるマルクスの「貫徹」?――ネグリ/ハート『ディオニュソスの労働 国家形態批判』 柏崎正憲
・砂漠からの離脱について 和泉亮
・崩壊を生き延び、その帰結に立ち会うことを促す1冊――フランコ・ベラルディ『プレカリアートの詩 記号資本主義の精神病理学』 松本潤一郎
VOL/SPECIAL
・ジョン・ホロウェイ小論――「問いかけ」による組織化をめぐって 高祖岩三郎
・大逆事件再考――過去は死なない 徳永理彩
インタビュー
・海賊的アナキズムの詩学 ハキム・ベイ(聞き手・松本麻里・高祖岩三郎)萩谷海訳
責任編集者
田崎 英明(たざき ひであき)
1960年生。美学/政治思想。
著書に『無能な者たちの共同体』(未來社、2008年ほか)
白石 嘉治(しらいし よしはる)
1961年生。フランス文学。
共編書に『ネオリベ現代生活批判序説・増補版』(新評論、2008年)
木下 ちがや(きのした ちがや)
1971年生。政治学。
共訳書にD・ハーヴェイ『新自由主義』(作品社、2007年)
平田 周(ひらた しゅう)
1981年生。フランス思想。
論文に「折り重なる空間――ポール・ヴィリリオの思想についての一試論」(『言語・地域文化研究』15号、2009年)