ペルソナ概念の歴史的形成──古代からカント以前まで
小倉貞秀
カントが近代の〈理性的存在者〉を基礎づけるうえで、その骨格を成す人格概念が、いかに〈ペルソナ〉という語の豊かな歴史的伝統の中から育まれてきたか。本書は古代ギリシアからカントに至るまでのその足跡を豊饒な学識でたどる。
目次
第1章 古代ローマにおけるペルソナ概念の形成
第2章 キリスト教及びその伝説におけるペルソナ概念
第3章 中世スコラ哲学におけるペルソナ概念の解明
第4章 宗教改革者ルターにおける信仰とペルソナの問題
第5章 近世合理論哲学におけるペルソナ概念の解明
第6章 近世経験論哲学におけるペルソナ概念の解明
第7章 ドイツ啓蒙哲学におけるペルソナ概念の解明
注
あとがき
著者
小倉 貞秀(おぐら さだひで)
1922年―2013年。1947年広島文理大卒。広島大学名誉教授。日本倫理学会名誉会員。
主要著書に、『カント倫理学研究』(理想社、1965年)『マックス・シェーラー』(塙書房、1969年)『愛の価値論的研究』(以文社、1982年)『カント倫理学の基礎』(以文社、1991年)。訳書に、シェーラー『人間における永遠なるものについて』(白水社、1977年)など多数。