現代思想の20年
池上善彦
平成の時代と思想を活写した画期的クロニクル
冷戦終焉の直後から大震災の直前まで、世紀をまたいで雑誌『現代思想』に毎月書き続けられた編集後記。世界の哲学・思想の最先端から政治・社会・文化の現状に鋭く斬りこみ、ネオリベラリズムにいち早く警鐘を鳴らし、「他者」「マイノリティ」の声に耳を澄ませながら新しい理論、運動、文化を次々に導入した、旺盛にしてスリリングな活動の軌跡。
目次
(『現代思想』1992~2010特集名より)
ナノテクノロジー、リベラリズム、戦争の記憶、ウイルス、インターネット、ろう文化、教科書問題、ユーゴスラヴィア解体、身体障害者、環境破壊、自己決定権、遺伝子操作、サイエンス・ウォーズ、部落、「安全」、グローバリゼーション、介護、スペクタクル社会、脱冷戦と東アジア、感情労働、和解の政治学、IT革命、帝国、超高齢化社会、パレスチナ、戦争とメディア、知的所有、日朝関係、テロ、イラク戦争、「核」、グラフィティ、死刑、日本国憲法、フリーター、脳科学、反日、靖国問題、マルチチュード、フランス暴動、イスラーム、ホームレス、日米軍事同盟、リハビリテーション、隣の外国人、ポスト・フォーディズム、東京裁判、貧困、温暖化、偽装、医療崩壊、万能細胞、チベット騒乱、裁判員制度、金融恐慌、政権交代、ベーシックインカム……
ベンヤミン、ダーウィン、ヘーゲル、丸山眞男、三木成夫、カント、西田幾多郎、ベルクソン、サイード、スピノザ、ジジェク、アーレント、ウィトゲンシュタイン、ニーチェ、アルチュセール、柄谷行人、デリダ、ハイデガー、スピヴァク、バトラー、ブルデュー、ドゥルーズ、フーコー、藤田省三、マルクス、ゲバラ、アガンベン、ゲーデル、ウェーバー、ネグリ、メルロ=ポンティ、吉本隆明、ケインズ、加藤周一、フッサール、レヴィ=ストロース……
著者
池上 善彦(いけがみ よしひこ)
1956年、岡山県生まれ。編集者。1983年、一橋大学社会学部卒業。1991年、青土社に入社して以来20年間、月刊誌『現代思想』の編集に携わる。1992年2月号から同誌の編集後記を書きはじめ、1993年から2010年まで編集長を務める。