反―装置論──新しいラッダイト的直観の到来
『来たるべき蜂起』翻訳委員会、ティクーン
いま、全世界で多発する群衆蜂起の原点!
2007年の『来たるべき蜂起』の出版によって、現在世界で多発する群衆蜂起に火をつけたフランスの匿名理論集団「不可視委員会」。その前身にあたる匿名集団ティクーンの「装置論」の紹介とともに、日本語版『来たるべき蜂起』の翻訳委員会が告げる「覚醒」と「共謀」のための新しい時間。
アラブ革命、日本の3・11後の状況、イギリス暴動、ニューヨークのウォール街デモからオキュパイ運動への発展など、いま世界は確実に争乱期を迎えつつある。これらの動きの基底にあるものこそが「反―装置」的思考である。
目次
『来たるべき蜂起』翻訳委員会
砂漠とオアシス
流言の氾濫はすでに革命の到来を告げている
来るべき現在のしるし
反原発の社会運動
ティクーン
批判的形而上学は装置論として誕生するだろう……
他
解説にかえて 廣瀬純+白石嘉治
著者
『来たるべき蜂起』翻訳委員会
日本の思想コレクティブ。集団で共同執筆活動を行う。2010年、不可視委員会の『来たるべき蜂起』(彩流社)の日本語版の翻訳活動を契機として誕生。以後、『現代思想』『図書新聞』などの媒体で時事・批評的な文章を発表。
ティクーン(Tiqqun)
フランスで『来るべき蜂起』を出版した「不可視委員会」の前身にあたる匿名思想集団。同名の雑誌『ティクーン』を1999年に創刊。
2008年、フランスからドイツへの放射性廃棄物の輸送に抗議した集団が列車の運行を妨害する事件が起き、それを契機に「タルナック事件」(サルコジ政権による大々的な「テロとの闘い」キャンペーンが開始されるなか、証拠不十分なまま容疑者9名の若者が拘束され続けた)が起きる。その際「テロのマニュアル」と目され、弾劾を受けた書物が『来るべき蜂起』だった。この事件の「不当逮捕」に対しては、フランス国内外の著名な哲学者や思想家による抗議も引き起こし、その後、アメリカのMIT出版から英語版の『来たるべき蜂起』が出版されベストセラーとなる。そして、その「前身」と目される“ティクーン”もまた、あらためて世界の衆目を集めることとなった。