パリ大全──パリを創った人々・パリが創った人々
エリック・アザン(杉村昌昭 訳)
読んでから行くか、行ってから読むか
「幸せな気分になりたかったら、この本を買って散歩してみたらいい」。現地の雑誌がこう謳ったパリ論の傑作。歴史上の作家たちと街角で交わり、歴史的建造物が立ち上がる“現場”に出くわすかのような臨場感溢れる魅惑的な「パリ案内」。民衆が創り上げたパリへの瑞々しい感度をもって、「芸術と革命の都」パリの魅力の再認識へと誘う、前例のない極上のガイドブック。
目次
序
第1部 巡視路(パリを経巡る)
Ⅰ 境界の心理地理学
Ⅱ 旧パリ――そのさまざまな街区
右岸
パレ・ロワイヤル
カルーゼル
チュイルリーとサントノレ
ブルス
パサージュ
レ・アール
サンチエ
マレ
グラン・ブールヴァール
左岸
左岸のブールヴァール
カルチエ・ラタン
オデオン
サンシュルピス
サンジェルマン・デ・プレ
フォブール・サンジェルマン
オスマンの区画整理
Ⅲ 新パリ
1 フォブール
徴税請負人の壁
右岸のフォブール
フォブール・サントノレ
フォブール・サンタントワーヌ
ポパンクールとフォブール・デュ・タンプル
フォブール・サンマルタンとフォブール・サンドニ
フォブール・ポワソニエールとフォブール・モンマルトル
サンジョルジュとヌーヴェル=アテーヌ
ウーロップ(ヨーロッパ)地区
モンソー平原
左岸のフォブール
フォブール・サンマルセル
フォブール・サンジャック
モンパルナス
Ⅳ 新パリ
2 村
左岸の村
ヴォジラールとグルネル
プレザンス
ダンフェールロシュローと一四区
一三区、ビュット=オ=カイユ、イタリー地区
右岸の村
パシーとオトゥイユ
バティニョルとクリシー
モンマルトル
クリニャンクール
グット・ドール
ラ・シャペルとラ・ヴィレット
ビュット=ショーモン
ベルヴィルとメニルモンタン
ペールラシェーズとシャロンヌ
ベルシー
ゾーヌ
第2部 赤いパリ
バリケードの誕生
ヴィクトル・ユゴーの償い
第3部 雑踏のパリを行く
遊歩者のパリ
美しいイメージ
原注
著者
エリック・アザン(Eric Hazan)
フランスの出版社主・著述家。1936年、パレスチナ生まれの母親とエジプト系ユダヤ人の父親の子どもとして生まれる。1950~60年代、アルジェリア戦争にさいして若きインターンとして解放戦線側に立って活動する。その後外科医として活動しながら、パレスチナ連帯運動、反民族差別運動などに積極的にかかわる。他方、父親が経営していた芸術書専門の出版社アザン社を継承しながら、それにあきたらず、1998年〈ラ・ファブリック〉社を立ち上げ、エドワード・サイードの仏訳をはじめ多くの良書を世に送り続けている。また、本人自身も著述家として多くの著作があるが、これまでに邦訳された『占領ノート 1ユダヤ人が見たパレスチナの生活』(現代企画室)に続き、本書が二冊目となる。昨年秋、「フランス革命」について独自のミクロ分析を行なった著作を自らの出版社から刊行して話題になっている。
訳者
杉村 昌昭(すぎむら まさあき)
1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・現代思想専攻。
著書に『資本主義と横断性』(インパクト出版会)、『分裂共生論』(人文書院)など。
訳書にF・ガタリ『三つのエコロジー』(平凡社ライブラリー)、A・ネグリ『さらば、近代民主主義』(作品社)J – C・マルタン『フェルメールとスピノザ』(以文社)など多数。